フォークリフトは使用する燃料によってエンジン式とバッテリー式の2種類に区分されます。
さらにエンジン式はガソリン、ディーゼル、LPG、圧縮天然ガスなどに分かれますが、ガスを使用するタイプの場合、定期的にガスボンベを交換する必要があります。ガス交換のやり方には手順があるため、大まかな流れと方法を覚えておきましょう。
本記事では、フォークリフトのガス交換のやり方を分かりやすく解説します。
フォークリフトのガス交換の手順
本項目では、フォークリフトのガス交換の方法を一般的な手順に沿って説明していきます。間違った方法で交換してしまうと危険が伴うため、しっかりチェックしておきましょう。
1. ガスボンベが空になっていることを確認する
一般的なガス式フォークリフトの場合、ガスが空になるとエンジンがゆっくりストールし、停止する仕様になっています。これでガスボンベが空になっているか否かを確認できますが、よく間違いやすいのがエアバルブを閉めてスタートした場合です。エアバルブを閉めた状態でエンジンをスタートすると、しばらく走行した後、突然エンジンがストップします。それでガスが無くなったと勘違いしやすいのですが、バルブが閉まっているのが原因の停止であるので要注意です。
なお、ガスボトルには残量を確認できるゲージがありますが、必ずしも正確ではなく、しばしば残量が誤って表示される場合があります。「ゲージが空を示しているから」といってガスボンベを交換してしまうと、実はまだガスが残っていたという場合もあるため、ゲージを過信するのは禁物です。実際、ゲージが空を示していても、30分以上稼働するというケースもあります。
ガスボンベの中身が残っているかどうか正確に確認するには、バルブを開き、かつ全ての機器を接続した状態でエンジンをかけ、ストールして停止するかどうかを確認する必要があります。また、満タンのガスボンベの重量は空のボンベの2倍程度とされていますので、ストールして停止した後、ボンベを持ち上げて重さをチェックしてみるのも一つの方法です。
2. 個人用防具・PPEを着用する
フォークリフトのガスボンベが空になっていることを確認したら、ガス交換のためにPPEを着用します。PPEとはPersonal Protective Equipmentの略称で、日本語で個人用防具を意味します。PPEは作業を行う現場によって仕様が異なりますが、ガス交換の際は安全のために、手袋やマスク、ゴーグルなどを着用するのが理想的です。ガス交換時のPPE着用は法律や規則などで義務づけられている訳ではありませんが、交換作業中に何らかのミスがあると、ガス漏れが起こる可能性があります。
正しい手順で作業をしていたとしても、ガスボンベのシールに不良があったり、ボンベ自体が故障していたりすると、思わぬトラブルに見舞われる恐れがあります。ガス漏れが発生するとバルブを閉めていてもガスが噴出し、目や皮膚などに直撃した場合に低温やけどや失明などを引き起こすため、とても危険です。
フォークリフトのガス交換自体は慣れればそれほど難しい作業ではありませんが、常にリスクを伴うことを理解し、細心の注意を払って作業しましょう。
3. ガスボンベを取り外す
PPEを着用したら、フォークリフトの前後進レバーがニュートラルになっていることと、ハンドブレーキがかかっていることを確認します。交換作業中に、突然フォークリフトが動くと事故につながる可能性があるため、たとえ停止しているように見えても、レバーとハンドブレーキを確認しましょう。準備が整ったら、バルブを閉め、ガスホースからガスボンベを取り外します。ガスホースは一気に緩めるのではなく、ゆっくり作業した方が安全です。
4. 空のガスボンベを収納する
取り外したガスボンベは事故防止のため、すぐに指定の場所に収納します。多くの場合は固定ラッチ付きのガスボンベホルダーなどに収納しますが、事業所によって扱いが異なるため、あらかじめ空のガスボンベの収納場所を上司などに尋ねておいてください。空のガスボンベを不適切な場所(作業場の床など)に放置すると、何らかの拍子に倒れたり転がったりして、近くにあるものが壊れたり、人がケガをしたりすることにもつながります。
またガスボンベが空になってから交換したとしても、場合によっては中身が少量残っている場合もあります。倒れた拍子に残っていたガスが漏れてくるリスクもゼロではありませんので、ガスボンベを外したら、すぐに然るべき場所に片付けることを心がけましょう。
5. 新しいガスボンベを装着する
空のガスボンベを取り外したら、新しいガスボンベを装着します。ガス式のフォークリフトは、一般的にガスボンベを車体の後部の上に取り付けます。
前述のとおり、満タンのガスボンベの重量は空のボトルの約2倍あるので、一人でガスボンベを持ち上げて作業するのは大変ですし、手が滑って足元に落下する恐れもあり、危険です。空のガスボンベを取り外すだけなら単独作業も可能ですが、新しいガスボンベを取り付ける際は最低でも2人以上の人員で作業しましょう。
ガスボンベを指定の位置にセットしたら、ストラップでボンベを固定します。次にガスボンベとフォークリフトのガスホースを接続しますが、その前にガスボンベの栓が閉まっているかどうかを確認しましょう。ガスボンベの栓を開いたままガスホースに接続すると、ガスが噴出し、低温やけどや失明などの重大な被害を招く危険があるためです。
なおバルブが完全に閉まっている状態でも、接続の際に抜き差しすると少量のガスが漏れることがあります。
しっかり接続されたときに漏れが止まれば問題ありませんが、完全に接続したにも関わらず漏れが止まらない場合はボンベまたはガスホースに異常がある可能性があるため、両方の状態をよく点検しましょう。
6. フォークリフトが動くか確認する
ガス交換が終わったら、フォークリフトにガスを充填し、エンジンをかけて始動します。
正しくガスが接続されていれば、数秒以内に始動するはずです。もし正常に稼働しなかった場合は、エンジンを切ってからガスボンベが正しく装着されているかどうか点検しましょう。
うまく稼働しない原因の多くは接続不良ですが、ガスホースが劣化している、またはガスボンベ自体に問題があるケースも考えられます。
フォークリフトのガス交換は正しい手順で行おう
ガス式のフォークリフトの場合、ガスボンベが空になるとストールして停止する仕組みになっています。
その場合は、新しいガスボンベへの交換が必要ですので、正しい手順で空のボンベを取り外し、新しいものに取り替えましょう。
ガスボンベの取り外しだけなら一人で行うことも可能ですが、満タンのボンベを装着するのは2人以上で作業するのがベストです。
なお、ガス交換の際は安全のために、PPEを装着するようにしましょう。
ご質問やご相談されたいことがあれば、ぜひこちらのフォームにメールアドレスをご入力のうえお気軽にご相談ください。
ご相談へのご回答のほか、フォークリフトの安全な使い方やコスト削減方法なども随時発信してまいります。
フォークリフトのタイヤでコストダウンする方法
フォークリフトはガスだけでなくタイヤなども適宜交換する必要があります。
フォークリフトのタイヤ交換をお考えの方は、フクナガタイヤのタイヤをご検討ください。
メーカーや販売業者を通さずに、直接タイヤを購入できるため、手軽にコストダウンが見込めます。
フクナガタイヤでは、フォークリフトの使用状況に合わせつつ長持ちするタイヤをご提案、販売しています。
ぜひお気軽にお問い合わせください!
受付時間: 平日 9:00~17:00