フォークリフトを使用していると、動かない・前進しないといったトラブルに見舞われることがあります。
フォークリフトを業務に使用している場合、全体の仕事に支障をきたす原因となってしまいます。万一に備え、対処方法を覚えておきましょう。
この記事では、フォークリフトが動かない・前進しない主な原因と対処方法を解説します。
フォークリフトが動かない・前進しない主な原因と対処法
フォークリフトが動かなくなる、あるいは前進しなくなる原因は大きく分けて7つあります。
原因によって対処法が異なるため、まずはフォークリフトの状態を点検し、原因を突き止めてから適切な対処を行いましょう。
ここでは、フォークリフトが動かない・前進しない主な原因と、それぞれの対処法をご紹介します。
1. 燃料が入っていない
エンジン式フォークリフトの場合、まずは燃料切れを疑いましょう。フォークリフトには普通自動車同様、燃料メーターが搭載されています。メーターが「E(Empty/空)」に振り切れていないかどうか確認しましょう。
燃料切れの場合、給油すれば走行可能になりますが、一度燃料タンクが空っぽになってしまうと、燃料タンクと燃料噴射ポンプ間の配管に空気が混入してしまいます。空気が入ると燃料を自己吸引できず、給油してもエンジンがかからないことがあります。
給油後にエンジンがかからない場合は、エンジンフードを開けてエア抜きに使用するプライミングポンプを何度かポンピングしましょう。20~30回ほど押すと空気が抜け、ポンピングの手応えが重くなってくるので、エンジンフードを閉めてからエンジンを始動させてみましょう。
プライミングポンプの場所はメーカーや車種によって異なるので、取り扱い説明書であらかじめ確認しておきます。
エア抜き作業は簡単ですが、給油のたびに行うのはやや面倒です。完全に燃料切れになる前に給油するよう心がけましょう。
2. 前後進レバーが正しい位置に入っていない
フォークリフトは前後進レバーを手前または奥に入れることによって前進・後進する仕組みになっています。エンジンはレバーがニュートラルの状態でなければかからない仕組みになっているため、エンジンが始動しない場合はレバーがニュートラルに戻っているかどうか確認しましょう。
一方、エンジンはかかるものの前進しない場合は、シフトレバーが前進方向に入っているかどうかをチェックします。一般的には、レバーを奥に倒すことで前進しますが、車種によってポジションが異なる場合があります。取扱説明書でしっかり確認しておきましょう。
3. 正しい位置に座っていない
フォークリフトの車種によっては、正しく座っていないと走行しない着座センサーが搭載されている場合があります。着座センサーが作動している場合、メーターに該当のランプが点灯します。正しい位置に座ってランプを消灯させてからフォークリフトを作動させましょう。
フォークリフトに乗るときは、シートに深く腰掛けてシートベルトをし、左手でハンドルを握り、右手は右足に軽く置いておくのが基本スタイルとなります。
4. バッテリーが上がっている
バッテリーが上がっていると、エンジンをかけることができなくなります。フォークリフトのバッテリーが上がる主な原因はバッテリーの経年劣化ですが、エンジンの作動時間が短い場合、充電が追いつかずにバッテリーが上がってしまうケースもあります。
バッテリー上がりは、ブースターケーブルを使って同じ容量のバッテリーとつなぐことで解消できます。バッテリー容量が同じであれば、接続先はフォークリフトである必要はなく、自動車とつないでもOKです。
容量の違うバッテリーにつなぐと、ヒューズが飛んだり、配線が焼き切れたりする恐れがあるため、フォークリフトのバッテリーと接続先のバッテリーの容量が同じかどうかしっかり確認しましょう。
なお、経年劣化によるバッテリー上がりの場合、ブースターケーブルを使った対策は応急処置にしかなりません。バッテリーの減りが早い、電解液が濁っている、バッテリーから異臭がするなどの症状が見られる場合は、バッテリーの寿命が近づいている証拠です。バッテリー交換を検討しましょう。
5. ヒューズが切れている
ヒューズとは、電装品の不具合や配線ショートなどの影響で必要以上の電流が発生した際、電装品や回路を保護する役割を担うパーツのことです。前進側の回路のヒューズが切れていると、後進はできるが前進できないなどの不具合が発生するため、新しいヒューズに交換する必要があります。
ヒューズはフォークリフトのヒューズボックスにまとめて収納されていますが、ヒューズボックスの場所は車種によって異なります。
また、ヒューズは一つではなく複数存在するため、どのヒューズを交換していいか分からない場合は業者への修理依頼をおすすめします。
6. 緊急停止装置が作動している
フォークリフトには、作業中に緊急事態が起きてしまった場合に備え、緊急停止装置が搭載されています。緊急停止装置を作動させると、走行や荷役などすべての動作が停止するため、アクセルペダルを踏んでも前進しなくなります。
緊急停止装置の場所は車種によって異なりますが、万が一の場合にすぐに作動できるよう、運転席から手が届く範囲内に配置されているケースがほとんどです。そのため、フォークリフトに乗車または下車する際、うっかり体が触れて緊急停止装置を作動させてしまうことがあります。
緊急停止装置が作動すると、バッテリープラグが外れる仕組みになっているため、間違えて作動させた場合は手動で復旧させる必要があります。
復旧方法は車種によって異なりますが、基本的な流れとしては、バッテリーフードを開けて外れたプラグを接続すればOKです。ボタン式の場合は、押し込んだボタンを引き上げるだけで復旧できることがあります。
復旧作業を行うときは安全のため、事前にフォークリフトの電源をオフにしておきましょう。
7. その他パーツの不具合・故障
上記の対処を行ってもフォークリフトが動かない、前進しない場合は、他のパーツが不具合・故障を起こしている可能性があります。
その場合、自力での対処は難しいため、専門業者に点検・修理を依頼することになります。
フォークリフトが動かない、前進しない原因は複数ある
フォークリフトが突然動かなくなる原因は複数考えられます。原因ごとに対処方法が異なるため、今回紹介した主な原因を一つひとつ確認した上で、適切な対処を行うことが大切です。
なお、ヒューズ切れやバッテリーの劣化、その他パーツの故障に関しては自力で対応できない場合もあるので、業者に点検・修理を依頼しましょう。
修理には時間とコストがかかるため、日頃からフォークリフトを点検し、劣化や摩耗を見つけたら早急にメンテナンスしておくことをおすすめします。
フォークリフトのタイヤでコスト削減する方法も
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