フォークリフトには、バッテリー式とエンジン式の2種類があります。
このうち、バッテリー式は給油の手間を省ける一方、バッテリーが消耗したら新品に交換しなければなりません。バッテリーが消耗すると、フォークリフトにさまざまな症状が発生しやすくなるので、寿命を迎える前に交換することが大切です。
この記事では、フォークリフトのバッテリーの寿命と、劣化した場合に起こりやすい症状、バッテリーを長持ちさせる方法、バッテリー交換の仕方について解説します。
フォークリフトのバッテリーの寿命は充電回数で決まる
フォークリフトのバッテリーの寿命は、製造年月日に基づく経過年数ではなく、充電回数によって決まります。
フォークリフト用のバッテリーを製造しているメーカーでは、放電1回+充電1回を1サイクルとして、バッテリーのおおよその寿命を公開しています。サイクル数は製品によって異なりますが、1,200~1,500サイクルが目安です。
仮に1,200サイクルのバッテリーを使用して週に5回充電した場合、年間のサイクル消費数は260となり、1,200÷260=約4年7カ月(4.6年)がおおよその寿命となります。ただ、これはあくまで概算であり、実際にはフォークリフトの使用状況などによってバッテリーの寿命は延びたり、縮んだりします。
フォークリフトのバッテリー交換にかかる費用は容量によって異なりますが、1台につき40~90万円が相場とされています。決して安い金額ではありませんので、フォークリフトの維持費を抑えたいのなら、バッテリーの寿命を延ばす工夫を採り入れる必要があります。
バッテリーの寿命が近づいているときの症状
フォークリフトのバッテリーの寿命が近づくと、以下のような症状が見られるようになります。これらの症状が目立つようになったら新しいバッテリーへの交換を検討しましょう。
フォークリフトのパワーが低下する
バッテリーの寿命が近づくと、放電能力が弱くなりフォークリフトのパワーも低下しやすくなります。パワー不足を感じやすいのは荷揚げのときで、以前より荷物を持ち上げるのに時間がかかると感じるようになったら、バッテリーの摩耗が考えられます。
バッテリーの減りが早くなる
バッテリーが劣化すると、充電から放電までの時間が短くなります。完全に充電したのにすぐに充電切れを起こす場合は、バッテリーがかなり摩耗している可能性があります。
バッテリーの電解液が濁る
バッテリーの電解液は、通常は透き通っていますが、寿命が近くなると濁りや異物が増え始めます。充電中は若干の濁りが発生することもありますが、時間が経っても濁りが消えない場合は寿命の可能性があります。
充電が100%にならない
バッテリーが消耗すると、いつまで経っても充電が終わらないという現象が発生する場合があります。長時間充電していても100%にならない場合は、新しいバッテリーに交換した方がよいでしょう。
異臭がする
バッテリーが劣化すると、バッテリー周辺から硫黄臭のようなにおいが出てくる場合があります。充電中にやや特有のにおいがする場合もありますが、硫黄臭や刺激臭などを感じたら劣化を疑いましょう。
劣化したバッテリーを使い続けるリスク
寿命が近づいたバッテリーをそのまま使い続けると、以下のようなリスクがあります。
業務効率の低下
バッテリーが劣化するとフォークリフトのパワーが低下するため、いつもより荷揚げなどに時間がかかってしまいます。バッテリーの減りも早いので頻繁に充電しなければならず、時間や手間がかかるぶん、業務効率の低下につながるおそれがあります。
電気代の増加
充電から放電までの時間が短くなると充電の回数が増えるため、電気代が増加する可能性があります。
爆発・発火のリスクが高くなる
劣化したバッテリーを使い続けると、バッテリーが破裂・発火・爆発などを引き起こすリスクが高くなります。場合によっては、物や人を巻き込む大事故に発展する可能性もあり、大変危険です。
バッテリーが劣化する原因
フォークリフトのバッテリーは消耗品なので、普通に使っていても少しずつ劣化が進んでいきます。ただ、以下のような取り扱いを続けると、バッテリーの寿命を縮める要因となるので注意が必要です。
過放電
過放電とは、バッテリーの電圧がゼロまたはゼロに近い状態になるまで放置した状態のことです。
バッテリーはある程度まで放電すると、電圧が急激に低下する性質があります。電圧が急激に低下する値を放電終止電圧といい、その電圧を下回るとバッテリーの寿命を縮める原因となります。
過充電
過充電は過放電の逆で、完全に充電した後も充電を続けた場合に起こる現象です。
充電器の中にはバッテリーの充電が完了した後、自動的に充電をストップさせる機能が搭載されているものもありますが、そうでない場合は過充電を引き起こし、バッテリーの性能を低下させる原因となります。
短時間での充電
短時間で充電を繰り返すと、バッテリーが劣化しやすくなります。バッテリーの残量が少し減ったからといって、こまめに充電すると逆効果になるので要注意です。
電解液の不足
バッテリーの電解液が最低ラインを下回ると、バッテリーに負荷がかかる原因となります。バッテリーの電解液は何もしなくても徐々に蒸発するため、定期的なチェックが必要です。
異物の付着
バッテリー周辺に異物が付着していると、自己放電の原因となり、バッテリーの性能低下につながります。フォークリフトを動かす環境によっては汚れが付着しやすいので、異物が付着していないか確認する習慣をつけるとよいでしょう。
バッテリーを長持ちさせる方法
バッテリーが劣化する原因をもとに、バッテリーを長持ちさせる方法を3つご紹介します。
1. 適切な充電を心がける
バッテリーの過放電、過充電を防ぐためには、適切なタイミングで充電する必要があります。一般的に、バッテリーの充電は電圧が30%前後になった段階で行うのがベストとされています。
充電が終わったらバッテリーをすぐに充電器から取り外し、過充電を防止しましょう。
2. 定期的に精製水を足す
バッテリー電解液が減ってきたら、適量の精製水を補充しましょう。特に気温の高い夏場は電解液の蒸発スピードが速くなるため、こまめな点検・補充が大切です。
なお、精製水の入れすぎはかえってバッテリーに負担をかけるので、適量ラインを超えないよう注意しましょう。
3. バッテリー周辺を清潔に保つ
バッテリー周辺に電解液やほこりなどが付着していたら、ウエスなどできれいに拭き取ります。細かい部分に砂ぼこりが付着している場合は、ダスターなどを使って吹き飛ばすのも効果的です。
フォークリフトのバッテリーはメンテナンス次第で寿命を延ばせる
フォークリフトのバッテリーは長年使っていると徐々に劣化し、フォークリフトのパワーが低下したり、充電の減りが早くなったりする原因になります。破裂や爆発などを引き起こすこともあるため、バッテリーの寿命が近くなったら新しいバッテリーへの交換を検討しましょう。
ただ、フォークリフトのバッテリー交換には決して安くない費用がかかるため、適切な充電やバッテリーのメンテナンスを行い、バッテリーの寿命を少しでも延ばすよう努めましょう。
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フォークリフトのタイヤでコスト削減する方法も
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