フォークリフトの修理は故障内容によって割高になることもあるため、できれば修理費用を抑えて長く使い続けたいものです。
そのためにも、日頃からきちんとメンテナンスを行うことが必要です。
本記事では、フォークリフトの整備の内容やメンテナンス方法について詳しく解説します。
フォークリフトの耐用年数とは
フォークリフトの法定耐用年数は4年と決められていますが、これは減価償却などの税制上の耐用年数です。
日頃のメンテナンスによって、実際の耐用年数は変わってきます。
フォークリフトの一般的な耐用年数は駆動方式によって違いがあり、バッテリー車の場合は5〜10年、ガソリン車は10〜15年と言われています。[注1]
ガソリン車と比べてバッテリー車の方が耐用年数が短いのは、フォークリフトに使用されるバッテリーの寿命が5年と言われているからです。
車体に異常がなければ、バッテリーを交換することでフォークリフトをそのまま使い続けることもできます。
フォークリフトを少しでも長持ちさせて使い続けるには、日頃からきちんとメンテナンスを実施することが大切です。
フォークリフトの基本的な整備内容
フォークリフトの整備内容は、実施する点検やメンテナンスによって異なりますが、基本的には下記の箇所の整備を行います。
・荷役装置・油圧装置の整備
・車輪の整備
・警報装置・前照灯・後照灯・方向指示器の整備
フォークリフトにはさまざまな種類があり、いずれの車体も上記項目について共通で整備を実施していく必要があります。
フォークリフトのメンテナンス方法
フォークリフトを安全に使用するため、法律によって作業開始前・月次・年次のタイミングで点検することが定められています。
定期的なメンテナンスの実施は、フォークリフトを長持ちさせることにもつながるため、きちんと実施しましょう。
ここでは、作業開始前・月次・年次のタイミングで実施するフォークリフトのメンテナンス方法を解説します。
作業開始前にメンテナンス方法
作業開始前のメンテナンスは、その日1日の作業を安全に行うために実施するもので、労働安全衛生規則第151条の25によっても事業者に実施が義務付けられています。[注2]
特別な資格などがなくても誰にでもできる点検内容となっているので、その日の作業を開始する前に点検を実施するようにしましょう。
点検の内容に関しては、車体下回りの油漏れやタイヤの溝、マスト・チェーン・爪など外回りの点検、エンジンオイル・バッテリーオイル量などエンジン回りの点検、ブレーキや警報装置・ランプなど作動点検を実施します。
作業開始前点検を徹底することで軽微な故障や損傷に早く気付くことができるため、故障や損傷による修理代を抑えたり、重大な事故を未然に防げるといったメリットもあります。
[注2]e-Gov法令検索「労働安全衛生規則」(参照 2022-08-22)
月次のメンテナンス方法
月次のメンテナンスは、労働安全衛生規則第151条の22によって義務づけられており、1カ月を超えない期間に必ず1回は実施しなくてはなりません。[注2]
月次のメンテナンスの点検項目は、前述の作業開始前メンテナンスよりもさらに増えます。
具体的には下記項目の点検を実施します。
・制動装置、クラッチ及び操縦装置の異常の有無
・荷役装置及び油圧装置の異常の有無
・ヘッドガード及びバックレストの異常の有無
詳しい点検項目に関しては、公益社団法人 建設荷役車両安全技術協会のホームページより点検票をダウンロードできます。[注3]
点検表は3年間保管しなくてはならず、提出を求められた際はすぐに応じられるようにしなくてはいけません。
保管を怠った際は、罰則が科せられるので注意が必要です。
なお、月次のメンテナンスに関しても作業開始前のメンテナンス同様、実施者に特別な資格は不要なため、誰でも実施できます。
[注3]公益社団法人 建設荷役車両安全技術協会「定期自主検査記録表(月次)」(参照 2022-08-22)
年次のメンテナンス方法
年次のメンテナンスは特定自主検査とも呼ばれており、1年を超えない期間に必ず1回実施することが、労働安全衛生法第45条・安衛法施行令第15条第1項によって義務付けられています。
また、年次のメンテナンスは法律によって定められた有資格者または検査登録業者が実施しなくてはいけません。
年次メンテナンスはフォークリフトの車検のようなもので、機器ごとに定められた40以上の検査事項を点検します。
検査結果を記録し、月次メンテナンスと同様に検査表を3年間保管しなくてはいけません。
また、検査が済んだフォークリフトには実施年月日が記載されたステッカーを車体に貼る必要があります。
年に一度、整備のプロにメンテナンスをしてもらうことで、車両の安全性を高める目的も年次のメンテナンスにはあります。
フォークリフトを長持ちさせる方法
フォークリフトを長持ちさせるには、作業開始前・月次・年次それぞれのタイミングで適切にメンテナンスを行うことが重要となります。
ここでは、メンテナンスを実施する以外でも、フォークリフトを長持ちさせるために使用する際に気を付けるべき内容をみていきましょう。
決められた積載量を遵守する
フォークリフトには、車種ごとにあらかじめ積載量が決められています。
指定の積載量を守らずに使用し続けると、故障や重大な事故につながる恐れがあるため注意が必要です。
荷物などを積むフォークリフトの爪には用途に応じて種類があるため、作業内容に適した爪に交換して使用するようにしましょう。
また、荷物用の爪に人を載せるのは、転落事故につながる大変危険な行為です。
高所で作業する際に人を乗せることができる爪があるため、事前に適切な爪に交換してから作業を行うようにしましょう。
危険な運転はしない
危険な運転もフォークリフトの寿命を縮める要因の一つです。
特に急発進や急ブレーキ、悪路の走行などは、ブレーキやタイヤを傷める原因になります。
自家用車と同様に危険な運転は、車体の故障や損傷につながる恐れがありますので注意が必要です。
すぐに修理に出さなくても自己解決できる場合がある
フォークリフトのエンジンがかからない原因として考えられるのが、燃料切れやシフトレバーの位置、バッテリープラグの抜け、OPS(着座感知装置)の作動などです。
これらが原因でエンジンがかからない場合は、燃料の補給やシフトレバーをニュートラルに入れるなど適切に対処することで、問題が解決できる場合があります。
自己解決ができない場合は、速やかに整備契約業者に連絡するのがおすすめです。
フォークリフトは3つのメンテナンスを実施する必要がある
フォークリフトを長く使い続けるには、適切なメンテナンスの実施が重要です。
フォークリフトのメンテナンスは安全衛生規則によって、作業前・月次・年次のタイミングで実施することが義務化されています。
法律に従って適切にメンテナンスを実施すれば、大きな故障につながる傷や不具合に気付くことができ、早い段階で適切な対処が行えるようになります。
メンテナンスは決められた内容でしっかり実施するようにしましょう。
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フォークリフトのタイヤでコストダウンする方法
フォークリフトは適切に整備・メンテナンスを行うことが重要です。
フクナガタイヤでは、それ以外にフォークリフトのタイヤでコストダウンを図る方法を紹介しています。
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